HEALTHCARE & MEDICAL
ヘルスケア/メディカル事業
2021年10月、MELTIN(メルティン)が開発中の新しい
「手指用ロボットニューロリハビリテーション装置」のプロトタイプが完成しました。
現在、順天堂大学にて臨床研究を実施中。2022年の実用化を目指しています。
MELTINの「手指用ロボットニューロリハビリテーション装置」は、生体信号をAIが分析することで、脳卒中などによる片麻痺を有する方が手をどう動かしたいかを読み取り、その意図に準じて動くよう手指をアシストします。脳神経科学に基づいたリハビリテーションはニューロリハビリテーションと呼ばれていますが、この機器によって意図に準じた動きを繰り返すことで、脳が手の動かし方を再度学習することを目指しています。
手指の機能回復は日常生活の質を大きく左右します。脳卒中による手指麻痺患者数は、国内だけでも年間約20万人(※)。MELTINの手指用ロボットニューロリハビリテーション装置は、社会生活復帰を目指す多くの人々の支えになると期待されています。
※厚生労働省、滋賀医科大学(2017)、回復期リハ医師102名アンケート(2020)から推測(当社調べ)
脳卒中に伴う身体の麻痺症状や運動機能の低下は、脳の運動に関わる部位の損傷によって引き起こされます。したがって、運動機能の回復には、損傷した場所とは異なる脳の部位を再構築し、脳が運動の仕方を再学習する必要があります。この装置は、運動意図に併せた動作補助を行うことによって脳の運動再学習を促すことで、ニューロリハビリテーションを行うことを目的としています。脳が持つ可塑性(脳の活動を環境に合わせて変化させる機能)を活用し、運動機能の回復を目指します。
MELTINの「手指用ロボットニューロリハビリテーション装置」は、前腕の筋肉の電気信号を分析し、行おうとしている手の動きを認識します。そして手に装着した機器が運動をアシストします。ロボットは疲れ知らずですから、同じ動作を正確に何度でもアシストできます。ロボットを用いることでより多くのリハビリテーション機会を提供でき、脳からの指令を伝える神経回路の再構築を促し、手指の機能回復促進が期待されます。
MELTINは、「生体信号」と「生体模倣ロボット技術」を強みとするサイボーグ事業を行うベンチャー企業です。「手指用ロボットニューロリハビリテーション装置」はさらに、装着した人の運動意図を読み取るための運動意図を正確に捉え、その意図をきちんと反映した動きをアシストするために、生体信号と「AIによる独自の生体信号解析アルゴリズム」を組み合わせており、効果的なリハビリテーションを実施することを目指しています。
MELTINの「手指用ロボットニューロリハビリテーション装置」は、手指に運動アシスト装置を装着し、前腕部にセンサーを貼り付けるだけで準備OK。指の長さに応じて装置のサイズ調整が可能なため装着性が高く、左右どちらの手にも対応します。装着完了から1分以内に筋電解析が完了し、リハビリテーションがスタート。ワイヤーを動かすモーターや生体信号を解析するためのコンピューターなどを本体側に内蔵することで、手に装着する運動アシスト装置を500g以下と軽量に仕上げました。また、一定以上の力が出ないように制御を行うことで装着者の安全を担保。症状に応じて動作スピードが調整でき、さらに5本指それぞれの動作範囲の調節も可能です。5本指タイプを採用したことで、様々な難易度の作業療法を容易に実施でき、また、手のひら側を覆う部品を極力減らしたことで、ものを掴んだ感覚を実感しやすくなっています。使いやすく分かりやすいUI(ユーザーインターフェイス)も特長です。